「トワイライトエクスプレス瑞風」の車両と編成

「トワイライトエクスプレス瑞風」の車両と編成

編成

「トワイライトエクスプレス瑞風」の編成は10両編成。


内訳は、展望スペース付き先頭車2両、寝台車6両、ダイニングカー1両、ラウンジカー1両となっています。

車両の製造

近畿車輛と川崎重工業で製造。

車両デザイン

「トワイライトエクスプレス瑞風」は、車両のエクステリアデザインを建築家の浦一也氏、インダストリアルデザイナーの福田哲夫氏が担当。


車両のデザインコンセプトは「上品さの中の懐かしさ」、乗客が磨き上げられた上品さと心休まる懐かしさを感じる「ノスタルジック・モダン」。


車両外観は、トワイライトエクスプレスの伝統を継承しつつも沿線の風景に馴染む「瑞風グリーン」の車体に金色のエンブレムとラインをあしらいました。


展望デッキと5本のラインからなる流線形の先頭車には、丸目のヘッドライトや往年のボンネット型車両を思わせる運転室を配置し、懐かしさを表現しました。


車内のインテリアデザインは昭和初期に流行したアール・デコ調を基本に据えつつ西日本地区の伝統工芸品を誂(あつら)えた落ち着いた空間となっています。

客室

・客室のタイプは、スイート、ツイン、シングルの3種類。

・編成定員は30名程度を予定。

・「ツイン」の車両である2号車(キサイネ86-101)で定員6名、9号車(キサイネ86-1)で定員6名です。


「トワイライトエクスプレス瑞風」の車両イメージから登場までの流れ
平成26(2014)年5月21日に先頭車デザインとスイート車車内の初期イメージ図、平成27(2015)年9月16日に列車の正式な外装・内装デザインが公表されました。


翌平成28(2016)年2月22日に近畿車輛と川崎重工業が製造担当であることが公式サイトで発表、近畿車輛で製作中の先頭車の塗装前の状況が公開されました。


同年3月30日に川崎重工業製の5両が黒くラッピングされた状態でDE10に牽引されて吹田貨物ターミナルに甲種輸送されました。


輸送されたのはツイン寝台車(4号車はシングル・ツイン)。


今回輸送された5両は吹田貨物ターミナルに到着後、3両はDD51牽引で網干総合車両所宮原支所へ輸送されました。


残り2両(2号車と9号車)は内装がまだ出来ていないため、HD300+キサイネ2両+ヨ+DE10という編成で入替えを行った後にクモヤ145重連によって吹田総合車両所へ輸送されました。


宮原支所に搬入された3両のなかで、キサイネ86-301(3号車)が同年6月30日に吹田総合車両所に搬入、その後も宮原支所〜吹田間で7月28日と29日と立て続けに「トワイライトエクスプレス瑞風」用車が輸送されました。


平成28(2016)8月15日には近畿車両が製造していたキイテ87-1(1号車)・キイテ87-2(10号車)の両先頭車が甲種輸送で網干総合車両所宮原支所に搬入されました。


宮原支所に到着後、搬入済みのキサイネ86-1・101と連結して4両編成に組成されました。


今後この4両編成で基本的な性能試験を行います。


同年8月26日〜27日にDD51やEF64牽引で4両編成が宮原支所から後藤総合車両所に回送され、9月下旬頃からの試運転の計画となっています。

車両形式

甲種輸送や公式サイトの情報から、「トワイライトエクスプレス瑞風」で使用される車両の形式名は「87系寝台気動車」と判明しました。


最近、JR西日本が新製・運用する気動車ではキハ187系や同189系など3桁形式が用いられていますが、この列車のテーマの一つ「ノスタルジックモダン」にのっとり国鉄形気動車のような2桁形式を用いています。

塗装・ロゴマーク

寝台特急 トワイライトエクスプレス時代と同じく緑色が基本としつつ、「トワイライトエクスプレス瑞風」では色合いをさらに美しい「瑞風グリーン」にします。


帯色は寝台特急時代はイエローとシルバーでしたが、「瑞風」では金帯となっています。


ロゴデザインは、沿線の山並みを「瑞風」の頭文字「M」でイメージしたものに、吹き抜ける風を「トワイライトエクスプレス」のシンボルでロゴデザインにも用いられていた天使で表現しています。


列車名の「TWILIGHT EXPRESS」は副題となります。


ちなみに、甲種輸送時にラッピングされた車体には、「TWILIGHT EXPRESS MIZUKAZE」「SPRING 2017 DEBUT」という文字も書かれていました。


ラッピングは平成29(2017)年の運転開始時まで続けられるようです。

動力方式とMT比

「トワイライトエクスプレス瑞風」用の87系寝台気動車は動力分散方式となります。


ディーゼルエンジン+発電機により発電した電力と、バッテリーアシストによるモーター駆動を組み合わせたハイブリッド方式です。


MT比は4M6Tとなります。


両先頭車と食堂車(ダイニング)とラウンジカーが動力車、その他が付随車となる予定です。

台車

台車は付随車がWTR250Aとなっています。


台車にはヨーダンパと上下に駆動するアクティブサスペンションを搭載し、新幹線と同等レベルの乗り心地となっています。


台車横の空気圧縮機はWMH3119-WR0680形です。

連結器

甲種輸送の搬入時には、1・10号車の展望デッキ側に密着連結器を、車両間の連結器には密着連結器と電気連結器を装備しています。

「トワイライトエクスプレス瑞風」の車両詳細

展望車 (1・10号車/キイテ87-1・2)

1号車のキイテ87-2と10号車のキイテ87-1は編成の両端にある展望車です。


定員8名で先頭部は流線型で展望デッキ付き、運転台から車体中央部は屋根まで続く大きな窓を活かしたハイデッカー式側面展望スペースを持つ車両です。


運転台は2階にあり展望デッキと側面展望室の間にある通路から階段を使って出入りする、その通路は乗務員扉や展望デッキにも繋がっています。


後部側は展望室直後の多目的室部分以外は機器室に充てられ、排気筒は運転台後ろと車端部外側の2ヶ所に設けられています。


走行時の先頭部の開放デッキは安全面から編成の最後尾のみ開放となり、1号車と10号車で側面展望室にある4人掛けソファーの向きが違います。


流線型の形状や丸形ヘッドライト、運転室の位置などは485系特急型電車などのボンネットスタイルを思わせ、「ノスタルジック・モダン」としての懐かしさを醸し出しています。


5本の流線は自然の風をイメージしたものです。


先頭部にある◎状のライトは中央部がフォグランプ付きHID型ヘッドライト、内側部分がテールライトとなっています。

ツイン寝台車(2・3・8・9号車/キサイネ86 1・101・201・301)

2人用の寝台設備を備えた車両でツインルームです。


シャワー・トイレ・洗面所があります。


ツイン寝台車は寝台は1両につき3室で定員6名。


出入扉は両開き。


インテリアは、中国地方の5県の木材を使ったドアや伝統工芸品でつくられています。


ベットは収納式とすることで日中は広く、余裕あるリビングスペースを確保しています。


さらに、窓の一部は開閉でき車外の風に触れられ、個室の入口である引き戸を両開きにすることで通路側の大窓から景色が見られます。

ツイン・シングル寝台車 (4号車/キサイネ86 401)

ツイン・シングル寝台車は、編成の4号車となる車両で定員は6名です。


「トワイライトエクスプレス瑞風」が発表された時はシングルルームはありませんでした。


後に、多様なニーズに答えるために正式デザイン発表時にシングル寝台が2室追加されました。


寝台特急「北斗星」や同「トワイライトエクスプレス」にあった旧A寝台ロイヤルの延長線上にある1人用個室です。


この車両には車椅子に対応したユニバーサル仕様のツインルームが1室あります。


乗降口とツインルームまでの通路と部屋の入口が車椅子でも通れるように拡幅されています。


この車両でも他のツイン寝台車と同じく通路側の大窓から景色を見ることができる。

スイート寝台車(7号車)

1両1室という、世界的にも珍しい広い個室空間を持った車両です。


車内には、プライベートバルコニー付きのエントランス、リビング・ダイニング・寝室・トイレ2ヶ所(玄関横とユニットバス内)・バスタブ付バスルームがあるとても豪華な車両です。


バスルームは夢空間のオロネ25 901「デラックススリーパー」以来です。


寝室とリビングの通路側には天井まで届く大きな窓、バスルームにも横長の窓と天窓が設けられるが、寝室・ソファー側の窓はとても小さく左側面と右側面で窓の表情が大きく違います。


スイート車のみ車体が2階建てで、リビングと寝室は階下に通路を配置することで広い個室空間を実現しています。


その他プライベートバルコニーの窓は下半分のみガラスで上部分は常時開放され、バスルームには非常用のドアが設けられ通路側に出られるようになっています。

ダイニングカー(6号車)

食堂車は車両の7号車側の約半分がオープンキッチンスペースで、5号車側の残りの部分に1人+1人が6卓と1人+2人のテーブルが2卓の計20人分あります。

ラウンジカー(5号車)

木をふんだんに使った落ち着いた空間のラウンジカーは編成の中央にあります。


乗降口側の車端部には2人用の座席個室とトイレ設備、そこからバーカウンター、立礼の茶の卓、ブティックスペースが設けられています。


この車両も4号車と同じく乗降口が拡幅されています。